[ESSAY] Mac派 VS Windows派の明けない夕べ-Intelチップ版Macの誕生-
Mac派 VS Windows派の明けない夕べ-Intelチップ版Macの誕生-(written by ウエケン)
筆者とコンピュータの縁は切っても切れない。音楽を作るにはPCの助けなしにはできないし、仕事でもサーバーをさわっている。ELEKTELほどコンピュータの依存度が高いユニットもないと思う。
ところが困った問題が一つあって私はWindowsユーザなのだが、相棒のpolymoogさんはMacユーザなのである。普通ミュージシャンにはMacユーザが多いのだが、私はMS-DOS時代からのユーザなのでその流れでWindowsを使っている。一般的にWindowsユーザはMacの汎用性のなさとパワー不足を馬鹿にし、MacユーザはWindowsを物まねで洗練されていないと文句をつけて、犬猿の仲だ。
ところが先日Appleは、2006年にローエンドMacを、2007年にハイエンドMacをIntelチップに移行するという衝撃的な発表をした。AppleがIntelに乗り換えたのはPowerPCは消費電力が高く、ノートPCなどの省電力化が必要なPC設計に適していないためだ。しかし今までMacはPowerPCチップを採用してきたのに、敵対してきたWindows用のPCで使われているIntelチップに乗り換えるというのだから、Macユーザの間では大事件だった。Macユーザが二人寄ればIntelチップ版Macの話で持ちきりだ。
でも私としては2007年に出るというIntelチップ搭載のMacならばもしかしてWindowsも動かせるようになるかもしれないとちょっと気になっている。なにしろ今や伝説となった昔のOS「BeOS」にもハマった筆者であるからして、Intelチップ版Macには絶対手を出してしまいそうな気がする。
第一、今のMacOS X は中身はMachカーネルがベースのUNIXなのだから、A-boy的にはWindowsよりも萌えるOSである。それに個人的には毎年MacEXPOに行っていたという過去もある。
私の悪い癖なのだが、アルバムや曲を作る前になるとソフトやハードを入れ替えたくなるというのがある。試験の前になると部屋の大掃除をしたくなるのと同じ寸法だ。2年前のアルバムのときにはマシンの自作にハマり、今年のアルバムのときにはシーケンスソフト乗り換えにハマり、メンバーに大顰蹙であった。
2年後にまたアルバムが出るとしたらだが、ちょうどそのころにIntelチップ版Macのリリース時期と重なり、間違いなくハマってしまいそうで今から戦々恐々としている。
(ウエケン)
[ESSAY] ビートマニアで"MOON RACE / ELEKTEL"を体験
ビートマニアで"MOON RACE / ELEKTEL"を体験(written by ウエケン)
polymoogさんが手がけた"MOON RACE / ELEKTEL"が収録されたゲームbeatmaniaIIDX12 HAPPY SKYをやりに渋谷のゲームセンターへ行ってきた。 渋谷の「セントラル」というゲーセンにあるそうだと教えてもらって行ってみると、ビートマニアが3台もあって素晴らしい!近くで見るとゲーム筐体はとてもでかく、鍵盤とターンテーブルらしきコントローラーがあり、下にウーファーもあってかっこいい。さっそくお金を入れて適当にモードを選んで、MOON RACEを選択すると曲が流れて感激、しかしあっというまにゲームオーバー。携帯で写真を撮る暇もなかった。私はゲーム好きに見られるようだが、実際はゲームが苦手なのだ。
作曲者のpolymoogさんがMOON RACEをプレイするのも見てたがラストまで行かずにゲームオーバーだった。どうもこのゲームの攻略に必要なのは、鍵盤の演奏力とかDJテクニックとか音楽的知識とは別物のようだ。
われわれエレキテルは過去にもCD「スペースインベーダー大作戦」にテイ・トウワやケン・イシイやSketch Showと共に曲が収録されたりして、ゲームとは浅はかならぬ縁があるのだがプレイするほうはちょっと...
困りはてて他の人がプレイするのを見ていたら、ちょうど前の人がMOON RACEを選択してくれた!小躍りして撮らせてもらった写真がこの写真。 ぼけているが、ウサ耳にミニスカートの少女が月をバックに走っているのがわかるだろうか。て言うか曲名を作ったときの月開発競争というイメージと全然違うじゃん(爆)
...でもあれはあれで可愛いし面白いかもしれない。
願わくばビートマニアをプレイしてくれた人がセカンドアルバム「Bit Stream Lounge」も聴いてくれることを願いたい。
(ウエケン)
[ESSAY] 京ぽんウォーズ-PHSの逆襲-
京ぽんウォーズ-PHSの逆襲-
少し前まで減少の一途をたどっていたPHSだが、最近再びユーザが増加しているらしい。CMやキャンペーンで目にしている諸兄も多いと思うが、ウィルコム(旧DDIポケット)が始めた月2900円「定額プラン」や端末AH-3001Vがヒットしているためだ。
何を隠そう私はNTTパーソナル時代からの筋金入りのPHSユーザなのだが、先ごろ解約してウィルコムのPHSに買い換えてしまった。NTTドコモのPHSはNTTパーソナルの赤字事業を引き継いだものなのだが、魅力を打ち出せないばかりかサービスが低下するばかりだった。PIASネットが廃止され、データ料金プランが使えなくなり、5月には一方的に新規加入の受け付けを停止ときた。サポートセンターとやりあうのも疲れてしまい、怒髪天を衝(つ)くとはまさにこのことである。
そもそもPHSはPersonal Handy-phone Systemの略で、高音質で通話料金が安くデータ通信に便利なシステムなのだが、携帯電話の競争に負けて下火になってしまった。それでもPHSを使い続けている人は、通話料金の安さに惹かれる人か、私のように定額かつ高速のデータ通信に魅力を感じるIT業界の人に違いない。言われてみれば筆者の周りで未だにPHSを使っているのは、FM西東京ディレクターのPさん、レーベルオーナーのNさん、電通のFさんなどマニアックな人ばかり。
ところで筆者が新しく手に入れたPHSはウィルコムのAH-3001Vといって日本初のフルブラウザ(Opera)搭載機だ。京セラのAIR-EDGE PHONEだから愛称は「京ぽん」というのだそうだ。フルブラウザ搭載ということは携帯用ではなく一般のWebサイトもPHSで見れるわけで遅さに目をつぶっても画期的に便利なのである。嬉しくて四六時中「京ぽん」でサイトを見ていたのだが、あるとき私ウエケンとpolymoogのユニット「ELEKTEL」のWebサイトを見ようとしたら、HTMLの形式が古すぎてレンダリングできずまったく見えない。恥ずかしながら藍屋の白袴とはよくいったもので、遅まきにしてモバイル対応のブログ風サイトに作り変えるため悪戦苦闘することと相成(あいな)った。このエッセイが世に出る頃には、おそらく最新型の格好良いサイトになってる……はずである。
(ウエケン)
[ESSAY] ライブドアM&A騒動とは何だったのか
「A−BOYの憂鬱」−ライブドアM&A騒動とは何だったのか−
あれほど喧(かまびす)しかったライブドアのM&A騒動だが、今のところフジテレビジョンとライブドアの資本・業務提携とやらで大筋合意して落ち着いてしまった。経済オンチの筆者にはよくわからないが、結局のところライブドアとフジテレビジョンは痛み分けで、得をしたのはリーマンブラザーズと村上ファンドとSBI、ということのようだ。
しかしこの問題については、秋葉原で青春を過ごし、現在IT業界に身を置くものとして言いたいことがあるのでこの際書かせてもらう。
そもそもライブドアというのは堀江貴文(以下ホリエモン)が学生時代に起業したホームページ制作会社のオン・ザ・エッヂが始まりで、途中で無料ISPのlivedoorの事業を買い取ってから、株式会社ライブドアに名前を変えて、当初はこのlivedoorポータルを中心に展開していた。この無料ISPというビジネスはハイパーネットという会社が発明したビジネスモデルをホリエモンが頂戴しただけだから、IT系の筆者としてはちっとも感心しなかった。私は当時、パシフィコ横浜で開催されたニュービジネスメッセに行ってハイパーネットのブースに注目していたのだからなおさらだ。
ときにホリエモンといえば、アジアングルーヴ社長の孫泰蔵がライバルとしてしばしば取り上げられる。孫泰蔵はホリエモンと中学のとき同級生で、東京大学に進み在学中に企業したというところまでそっくりな企業家だ。私はかつて居酒屋で孫泰蔵氏にご相伴を預かったことがあるのだが、ソフトバンク孫正義の実弟でありながら自身でベンチャー企業を設立しヒット商品を開発し、ビールを飲めばジャズを語る気骨の人であった。私としてはマネーゲームにうつつを抜かすホリエモンより、俄然、孫泰蔵氏に肩入れしてしまうのはいた仕方がない。まあ、ひょっとすると氏に飯を奢ってもらったのが嬉しいだけなのかもしれないが。
ところで「LINDOWS(リンドウズ)」というOSをご存知だろうか。これは私もサーバーを構築するときにしばしば使うLinuxというOSがあるのだが、そのとっつきにくいインターフェイスにまるでWindowsXPのようなGUIを乗せて、Windowsアプリケーションが動作するエミュレータを備えたという、Linuxユーザにとっては実にわくわくするようなOSであった。しかしこのLINDOWSは2年ほどまえにライブドアが日本版を出したのだが売り上げが低迷して、今はその噂すら聞かない。
「Opera」というブラウザーを使ったことがあるだろうか。ノルウェーのソフトハウスが開発した実に軽快なタブ切り替えのブラウザーだ。しかしこのソフトも去年からライブドアが日本版を販売しているのだが、日本ではいまいち振るわない。むしろNetscape後継ブラウザのFireFoxにシェアが押されているほどだ。
ライブドアよ「もっとまじめに仕事をしろ」、と声を大にして言いたいが、世のメディアでは買収防衛やら法廷闘争ばかり書いて、こういうことは書いてくれない。経済問題よりもそんなことのほうが気になってしまうのが秋葉人の悲しい性である。SkypeやTurboLinuxもライブドアが販売しているが、「LINDOWSの二の舞」にならないことを切に願っている。
(ウエケン)