[ESSAY] 京ぽんウォーズ-PHSの逆襲-
京ぽんウォーズ-PHSの逆襲-
少し前まで減少の一途をたどっていたPHSだが、最近再びユーザが増加しているらしい。CMやキャンペーンで目にしている諸兄も多いと思うが、ウィルコム(旧DDIポケット)が始めた月2900円「定額プラン」や端末AH-3001Vがヒットしているためだ。
何を隠そう私はNTTパーソナル時代からの筋金入りのPHSユーザなのだが、先ごろ解約してウィルコムのPHSに買い換えてしまった。NTTドコモのPHSはNTTパーソナルの赤字事業を引き継いだものなのだが、魅力を打ち出せないばかりかサービスが低下するばかりだった。PIASネットが廃止され、データ料金プランが使えなくなり、5月には一方的に新規加入の受け付けを停止ときた。サポートセンターとやりあうのも疲れてしまい、怒髪天を衝(つ)くとはまさにこのことである。
そもそもPHSはPersonal Handy-phone Systemの略で、高音質で通話料金が安くデータ通信に便利なシステムなのだが、携帯電話の競争に負けて下火になってしまった。それでもPHSを使い続けている人は、通話料金の安さに惹かれる人か、私のように定額かつ高速のデータ通信に魅力を感じるIT業界の人に違いない。言われてみれば筆者の周りで未だにPHSを使っているのは、FM西東京ディレクターのPさん、レーベルオーナーのNさん、電通のFさんなどマニアックな人ばかり。
ところで筆者が新しく手に入れたPHSはウィルコムのAH-3001Vといって日本初のフルブラウザ(Opera)搭載機だ。京セラのAIR-EDGE PHONEだから愛称は「京ぽん」というのだそうだ。フルブラウザ搭載ということは携帯用ではなく一般のWebサイトもPHSで見れるわけで遅さに目をつぶっても画期的に便利なのである。嬉しくて四六時中「京ぽん」でサイトを見ていたのだが、あるとき私ウエケンとpolymoogのユニット「ELEKTEL」のWebサイトを見ようとしたら、HTMLの形式が古すぎてレンダリングできずまったく見えない。恥ずかしながら藍屋の白袴とはよくいったもので、遅まきにしてモバイル対応のブログ風サイトに作り変えるため悪戦苦闘することと相成(あいな)った。このエッセイが世に出る頃には、おそらく最新型の格好良いサイトになってる……はずである。
(ウエケン)